子育て(得)情報

「あおもり子育てネット」の過去記事を再編集して掲載しています。

思春期のミカタ~手を離すよ、見守るから。

1;思春期の「見方」


1-1kuroma_2.gif 思春期のモンダイ

◆このごろあの子がわからない・・・。

 小さい時は素直ないい子だったのに、最近は反発したり無視したり。ちっとも言うことを聞かないかと思えば、妙に無口になって部屋にこもりがち。この頃あの子の姿が見えない。わからない・・・。

beads_21.gif

◆不安定で繊細な「ガラスの10代」

 小学生高学年から高校生くらいまでは、自立に向かう大切な時期。もうコドモでもない、でもまだオトナでもない。つまり、親は干渉し過ぎてもダメ、放任し過ぎてもダメ。

 親の存在に苛立ち、友人の存在に過敏になり、自分の力を過信したり幻滅したり。そんな不安定で繊細な「ガラスの10代」は、親だって経験してきたはずですよね。

beads_21.gif

◆時代が変わった! 子どもも変わった?!

 でも今は時代が変わりました。ケータイとネットを駆使して、多くの情報を自由に得たり、友人とそつないやりとりをする子どもたちが増えているといいます。

 コミュニケーション術に長け、親や先生と表面上は問題なく付き合いながら、未来への不安を話せずに、抱えこんでしまう子どもたち。

beads_21.gif

 親は、大人は、どう理解しどう向き合っていったらいいのでしょうか。10年後、20年後にこの青森を、日本を、そして世界を担う、思春期の子どもたちに。
girl


1-2kuroma_4.gif思春期のシンズイ

「子どもが言うことを聞かない」、「子どもがわからない…」

boy.gif









girl.gif
◆親の下から抜け出したい、抜け出せない
 この時期の子ども達は、自分なりの心の世界を築くために、親の価値観から抜け出そうとします。でも現実的には親に頼らざるを得ませんよね。そこで、親に生理的な反抗を示し、親と一線を画すようになるといいます。
◆何でもできるはず!でも何もできない・・・

一方で、まだはっきりとした将来のイメージについてビジョンを持てていない場合は、“自分は何にでもなれる”“何でもできる”という「万能感」を持ってしまいがち。理想と現実とのギャップに触れるたび、戸惑いや深い挫折感を味わいます。

beads_21.gif

◆行ったり来たり、揺れる思春期

 『精神的な自立』への道のりは、決してスムーズな一方通行ではありません。“万能感”から自信過剰に振舞う一方、すぐに“挫折感”が引き起こす“依存心”に引き戻され、甘えと反発との繰り返しになります。親からは「子どもが見えない」「本心がわからない」と見えるのかも知れません。


 でも、心配することはありません。未来への期待や願望が多いほど、「自立したい」という要望が強く湧き上がるもの。挫折や不安感にさいなまれていそうな時は、家庭ではその努力を称え、温かく受け止め、再挑戦を励ましましょう。真の自立とは、一生をかけて果たすもの。焦らず、温かく見守りたいものですね。

beads_21.gif

◆家庭で、親のあなたにできること

 そしてまた、自意識が過剰になるがゆえに、外で多くのストレスを抱えてくる思春期の子ども達。家庭ではイライラして、「そんなことしてるなら?したら?」「いい加減に?しなさい!」と解決策を押し付けていませんか?

 「最近どう?」と声をかけてみましょう。たとえ無視されても“ここに貴方を見守っている私が居るよ”というメッセージは伝わるはず。

 もしこどもが話し始めたら、「そんなことがあったの…」「本当はそうしたいと思っているのね」と聴き手にまわってみましょう。誰かに話すことでストレスのほとんどは軽減されますよね。

 問題の“解決策”は子ども自身が見つけるもの。家庭では暖かなストレス“解消法”を教えてあげてはいかがでしょうか。

beads_21.gif

◆夫婦仲良く。子離れの心構えも・・・

 また子どもが安心して社会に出て行けるように、夫婦が仲良くするのは基本です。これまで子育てにかかりきりだったという親も、子どもが巣立った後の生き方や仲間を探して、少しずつ子離れする練習をしていくのも、大事なことかもしれません。


思春期の永遠のテーマ、「反抗」と「性」

思春期の特徴は『反抗』と『性』」と話してくれたのは弘前学院大学の野口伐名教授。「どちらも自立には欠かせないプロセス」と言います。

beads_21.gif

◆親子関係には無い、生物学的な欲求

 「反抗」については、上で述べたとおり、親からの「精神的な自立」を求めての行動と言えます。 もう一方の「性」については、第二次性徴によるホルモンの分泌に加え、自らの体の変化と、異性を求める“生物学的な”欲求が生まれます。

 これは、今までの親子関係の中で、体験したことのない衝動です。子どもは、自分だけがおかしくなったのでは・・・という、不安や罪悪感におそわれることもあります。一旦悩みだしてからは、なかなか親には相談しづらいもの。

beads_21.gif

◆正しい「性」感覚を、早い段階から伝えよう

 親よりも友人よりも、異性を崇拝し、自分と同一化したいという欲求は自然な流れ。「相手も大切に、自分も大切に」という正しい性意識の下では、健全な『自立』を促進します。ただ、世間に流布している多くの偏った情報を得て、ゆがんだ性観念にとらわれてしまうことで、自分も相手も傷つけてしまう危険性もあります。
 日頃の何気ない会話の中で、「性」についての正しい知識?「いのち」の元となる大事なこと、将来誰かを愛し、家庭を築く上でもとても大切なことだと、話しておくのがいい方法かもしれません。
woman_20.gif


woman_20.gif


「自分らしさ」「自分の未来」もジブン次第。現代っ子の苦労

girl_12.gif









girl_14.gif
◆選ぶのは自分、責任を負うのも自分

 今の子ども達は、昔に比べて豊かで自由な時代に生まれ育った「親」、に育てられた世代。

 「自由」で「自分らしく」生きることが信条の世の中では、なんでも「自分で」選ぶことができますが、その結果も「自己責任」。でも「自己責任」ってどこまでなんでしょう。そのリスクを負う不安から、大きな変革を伴う行動を避け傾向が強いといいます。

beads_21.gif

◆子どもの前に「立ちはだかる大人」がいない


 かつて地域や家庭内の社会的通念が明確であった時代、親や社会に従うか歯向かえば良いのですから、自立への道のりはむしろ楽でした。今は「勝ち組」「負け組」と言った枠で捉えられ、“小さくても若くても、勝てば文句を言われない”自由な社会。風通しがよくなった代わりに、子どもの周りに「立ちはだかる大人」、つまり「立ち向かうべき大人」の姿も減ったのではないでしょうか。

 今の子どもたちは、立ち向かって傷つく(傷つける)よりも、「リスペクトもしないけれど、相手の立場もわかる」というように、折り合いをつけてみせます。その裏で「自分が傷つかない居場所」「自分が自分らしく生きることのできる場所」を模索しているようです。

beads_21.gif

◆真の「自分らしさ」は他者の中で見えてくる

 でも、「自分らしさ」は他者とぶつかり、他者と違う自分を認める中で生まれてくるもの。頭を使ってお互いのメリットを考え、傷つけ合うことを避ける関係性の中で、「自分らしさ」が見えるはずもありません。家庭内においても、友人関係においても、『適度に心地よい』コミュニケーションでしか成り立たない関係。それは心からの信頼がある関係と言えるのでしょうか。

 ちょっとした挫折や誤解がきっかけで「キレる」現代の子どもたち。思春期特有の過敏さとは言い切れない、傷つけあい、傷を舐めあう、生身の(むき出しの)感情や関係に慣れていない現代っ子の成育環境が見て取れます。

beads_21.gif

◆子育てのラストチャンス、お見逃しなく

 同じ「思春期」と言っても、真っ向からぶつかり合うことが青春だった思春期世代と、「嫌われるのが怖いから」親友にも深い悩みは話さないという、今の思春期世代の違いにはギャップがあるのを認識しましょう。一般的に子どもに対する“過干渉”は「ウザイ」もの、自立心を阻んでタブーとされます。

 でも、子どもが道を踏み誤ったと思われる時。子どもが無闇に反発することで、親(大人)の『本気』度を確かめていると感じた時。

 一人前の大人として、社会に出ていく前の通過儀礼として、親(大人)が“全存在を懸けて”子どもときっちり向かい合う『子育てのラストチャンス』が、この思春期にはあるのかもしれません。大人の皆さん、お見逃しなく。
  • -
  • -