第9話 いいリズムで、1日のスタートを!

こんにちは、ミホさん。ユイちゃんも大きくなったわね。もう少しで小学1年生だね。

そうなんですよ。ユイはのんびりマイペースで、そこが可愛いんですが、小学校に入学するまでに、ある程度のことは自分でできるようになってほしいと思っているんです。

ちょっと、不安なのかな?

そうかもしれません。自分も朝は時間ないので、イライラしてしまって、『急いで!』『早くして!』と怒ってばかりです。

そうなのね。じゃあ、まずは早起きから始めてみてはどう?

早起きですか?朝起きるのが苦手だから、早く寝かしつける方がいいんですが・・・。

もちろん、決まった時間に寝るというリズムは大切です。でも、寝かしつけるより、起こす方が簡単でしょ。

そうですか?

まず、カーテンを開けて朝日を浴びることで、体内時計をリセット。できれば明るく楽しい起こし方がいいかな。叱りながらだと、お互い嫌な気分で一日が始まるでしょ。

それだとできそうです。

それに、早く起きると、早く寝るようになるのよ。睡眠は何時間とったというより、何時から寝るのかが大切なの。

聞いたことあります。成長ホルモンが出るんですよね。

そうよ。そして朝食をしっかりとることも忘れずに。朝食をとらないリスクは、太りやすくなる、集中できない、イライラするなどなど、たくさんあるのよ。もちろん食べる時はしっかりよく噛んで。朝食後は歯磨き、トイレをすませ、登校する。朝からいいリズムを作りましょうね。

先生がよくおっしゃっていた「早寝、早起き、朝ご飯」ですね。でも、やることたくさんありますね・・・。

そう!できる所から一つ一つ。まずは、早起きから頑張って!

 

ワンポイント情報

生活リズムの影響

斜線を描くことは図形の模写の中でも難しいため。三角形の模写は5歳児の脳の発達を調べる指標になるとされています。

 

 

幼稚園・保育所の年長児たちに三角形を見せて、それを模写してもらったところ、睡眠・覚醒リズム(起床時刻や就眠時間)が不規則な子供たちは、規則的な子供たちに比べ、三角形を描けないリスクが高いことがわかりました。

 

不規則な生活リズムが、脳の中で認知(見たもの)と運動(模写する)を統合する機能に影響を与えることが示唆されたわけです。これは、就学後、漢字や図形を学ぶ子供たちにとって、規則的な生活リズムを幼児期にきちんと整えておくことの重要性を示しています。

 

睡眠は記憶の整理や定着とも関連しているため、睡眠不足は小学校以降学力の低下につながります。「早寝早起き朝ごはん」で日々の生活リズムを規則正しく整えることは、脳の発達にも影響する大切な習慣だといえるでしょう。

 

独立行政法人 国立青少年教育振興機構 理事長 鈴木みゆき氏

 

(「早寝早起き朝ごはん」全国協議会「データ集「心と体の元気のヒミツ 早寝早起き朝ごはん」」より)

 

現役の先生によるワンポイントアドバイス

小学校入学までに身に付けてもらいたいことについて、現役のこども園長であるサナエ園長先生と、小学校長であるツヨシ校長先生からのアドバイスをいただきました。

 

サナエ園長先生のワンポイントアドバイス

まずは、「自分のことは自分でする」です。園ではできているのに小学校へ行ったらできない子がいます。そういう子は家庭で親が子どものことをやってしまっていることが多いです。確かに、環境が変わると最初は皆戸惑い、できることもできなくなったりします。しかし、家庭で自分のことは自分でやっている子は、すぐにできるようになりますが、そうじゃない子は助けてもらうまで、何もせずに待っています。

 

次に「スケジュールの作ること」です。親子で1日のスケジュールを作って、一緒に時計を確認しながら行動するのもいいですね。

 

最後に、「小学校と園との連絡方法の違い」を知ってください。小学校からの連絡は、園に在籍しているときほど多くなく、少ないことを知って下さい。

 

ツヨシ校長先生のワンポイントアドバイス

入学前に登下校の通学路を覚え、交通安全の基本を身に付けてください。(信号、横断歩道、飛び出ししないなど)

 

放課後の生活(学童保育など)の様子をぜひ事前に見にきてください。

 

保護者の皆さんには、「子どもの話を最後まできいてあげる」ということを意識してもらいたいです。そして、子どもと話をして、たくさんコミュニケーションをとってください。

 

小学校の参観日には出席し学級懇談に出ることが、親の不安解消につながります。担任の先生と一緒に子どもを育てていきましょう。

 

二人の先生共通のアドバイスとして

  • 「早寝・早起き・朝ご飯」で生活リズムを整える。
    (子どもの生活リズムを守ること。親のリズムに巻き込まないで)
  • 自分の思いを言葉で他者に伝える力を身につける。
  • 自分の名前は平仮名で読めて、できれば書けるようにする。漢字や計算などは小学校に入学してからでも大丈夫です。

 

 

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